販促品ポケットティッシュで集客率がアップする理由
街を歩くと、頼んでもいないのによくティッシュを渡してきますよね。インターネットが多くの人にとって当たり前になり、スマホでほしい情報を手に入れられる現代、ポケットティッシュを配るマーケティングで本当に集客率が上がるのか、そんな疑問に駆られることも当然かと思います。
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■街で見かけるポケットティッシュ配り、実は日本発!
街を歩くと、頼んでもいないのによくティッシュを渡してきますよね。インターネットが多くの人にとって当たり前になり、スマホでほしい情報を手に入れられる現代、ポケットティッシュを配るマーケティングで本当に集客率が上がるのか、そんな疑問に駆られることも当然かと思います。
実はポケットティッシュ・マーケティングは日本独自の文化なのです。アジアの主要都市では配られているようですが、世界的にみるといまでもニッチなマーケティング手法です。
そもそも、日本においてティッシュは1950年代に箱型ティッシュとして日本に上陸してきました。その当時の日本のマーケティング手法としては、「無料でマッチ箱を配る」というものでした。しかしその後、100円ライターの登場とともに、マッチの需要は激減していってしまいました。
それに代わるマーケティング手法として、高知県の某紙製造販売会社が、携帯できるポケットティッシュを考案し、広告用のティッシュとしてビジネスを開始したのです。実はこれが、日本のポケットティッシュの誕生なのです。
日本でポケットティッシュ・マーケティングが広まったのは、富士銀行が口座開設の贈呈品として大々的に配布し始めたころからです。それに続き、80年代に入って消費者金融機関の配布物として街中に配布されだすと、ポケットティッシュ・マーケティングは爆発的に流行していきました。
その後、某商社によって、ポケットティッシュ・マーケティングは米国の一部に展開していきました。北米は紙パルプ精製として地理的優位性を持っており、それを利用したマーケティングビジネスに向いていたのです。
わかりやすいところでは、ニューヨークにある吉野家にて、ポケットティッシュ・マーケティングが行われました。拒む人も少なく、チラシよりも効率的に集客効果が得られるとして話題になりました。具体的には、チラシだと1分間でせいぜい1~10枚程度、しかしティッシュだと30~50個、配るだけ受け取られるというフローが生まれたのです。その後、日系のビール会社、飲料企業、航空会社、旅行会社などがポケットティッシュ・マーケティングを導入し始め、その後金融機関などからの導入も始まりました。ただ、都心部以外の米国はほとんど過度な自動車社会であり、ニューヨークなどの徒歩人口が多いところ以外にはなかなか浸透しないという問題があり、そこまで流行していないというのが現状です。
■マーケティングを取り巻く構造変化
現代では、インターネットの定着により、広告媒体・マーケティング媒体としてのテレビのプレゼンスが下がってきている。また、雑誌や新聞の購読数も減少しつつある傾向にあり、マーケティングを行うべき企業側も、メディア戦略の転換を迫られつつあるのが現状なのです。
考え方の方向性としては、ニッチメディアに向かう方向があり、「大衆」ではなく「個人」に向けたダイレクトマーケティング手法が求められています。ダイレクトマーケティングとは、特定の層をピンポイントで狙い、広告を打っていく方法です。ここに、ダイレクトメールなどと同様に、ポケットティッシュ・マーケティングが含まれてくるのです。
■コスト比較「DM」VS「ポケットティッシュ・マーケティング」
ダイレクトメールのコストは、たとえば1000通作った場合、デザイン料で4~8万円、郵送費でさらに5~10万円程度かかるといわれています。さらに、作業に伴う人件費がさらに数万円上乗せされる形です。
一方、ポケットティッシュ・マーケティングの場合は、ポケットティッシュ自体を、計算しやすく仮に10円程度と設定しても、1000個で1万円と設定します。これを配る場合、ティッシュ配りのアルバイトの時給を1200円と設定し、1時間あたりに配ることができる量を200個とします。そうすると、1000個を配るために、5時間(6000円)を要することになります。合計、2万円弱の計算になり、概算でも、DMよりもかなり安いコストで済むことが分かります。
コスト的なところを加味すると、ポケットティッシュ・マーケティングが効率的だということが分かりますね。
なお、ポケットティッシュ・マーケティングと、そのほかの主要広告手法の転換率をまとめたものは以下の通りです。
・新聞折込 約0.03%
・ポスティング 約0.2%
・ネット広告 約3.3~5.5%
・ティッシュ配り 約4.0%
これをみただけでも、ポケットティッシュ・マーケティングが圧倒的な転換率を誇っていることはよくわかります。
■まとめ
ティッシュは、世に数ある販促品の中でも「家にあって損はない」商品の代表格といえます。今すぐは必要ないけれど、冬になれば風邪になって、外出の時に必要になる、何に使うわけでもないけれど、とりあえずバックに一つ入れておきたいなどなど、ティッシュは、人の生活に根付いているのです。そういった商品を販促品として使い、素晴らしい転換率を実現しているからこそ、ポケットティッシュ・マーケティングは今も集客の方法として長く利用されているのです。