販促品のコンプライアンス

2018年02月06日
販促品のコンプライアンス



改正個人情報保護法が平成29年5月30日に全面施行され、個人情報5000件以下を保有する中小企業やNPO法人も法律の対象となりました。法律を守ることはもちろんですが、個人情報を適切に取り使うことは、企業にとって信頼を得るために最も重要なものです。著作権、肖像権などの法律についても知識を持っておきましょう。


目次

個人情報の保護

販促品のコンプライアンス

販促品を扱う上で、個人情報を保護するということは実際にはどのようなことを指すのでしょうか。


個人情報とは?


個人情報とは、現在生存している個人が識別できる情報のすべてと定義されています。法人の情報は含まれていませんが、法人の情報の中に個人の情報が含まれている場合は、個人の情報と判断される場合があります。
故人の情報は個人情報ではありませんが、故人の遺族が生存している場合、遺族に関わる故人の情報も個人情報に該当する場合もあります。


個人情報取扱事業者とは?


個人情報のデータベースなどを、5000人分以上事業に使っているすべての民間事業者が個人情報取扱事業者として定義されています。データベースとは、パソコンで管理されている情報以外にも、五十音順に整理され、検索ができるように整備された書類、書籍の名簿も含まれます。


個人情報の保護は企業の義務


個人情報の取り扱いについて、個人情報取扱事業者には個人情報を適切に取り扱う義務が生じます。
まず必要なのは、利用目的の特定です。個人情報を取得するときには何に使うかを具体的に伝える必要があります。後に、利用目的を変更することもできますが、社会通念に照らして判断するとされており、どの程度を常識ととらえるか認識のずれを生む可能性があります。事前に予想される目的はすべて網羅しておく方が安心です。
企業には、安全管理措置義務が生じます。どのような対策を講じていれば安全管理措置義務を果たしたと言えるか、具体的な基準は法文にはありません。パスワードを設定しておく、鍵のかかったキャビネットに保管するなど一般的な対策が考えられますが、国際規格としてのISO/IEC 17799、日本のJIS X 1580など、情報セキュリティ監査基準が作られていますので参考にすると良いでしょう。

使用期間や範囲等、管理体制は明確に

販促品のコンプライアンス

販促品にキャラクターのイラストやモデルを利用した写真を使う場合、使用できる期間や範囲をあらかじめ決めておく必要があります。コンプライアンス違反にならないよう取り扱いには注意が必要です。


使用期間・範囲に関する取り決め


キャラクターやイラスト、モデルを利用した写真を使用する場合は、いつから使用を開始し、いつまで使用するか、なにに、どのように利用するのかを契約書に記載します。契約した期間・範囲以外で使用することはできません。


使用期間・範囲を適正に管理する


販促品に使い始めたキャラクターやイラスト、モデルを引き続き利用したい場合があります。そのような場合は、口約束ではなく、契約書を新たに作り契約し直します。
特に使用期限は、引き続いての使用で期限が切れたことに気がつかないうっかりミスが起こりがちです。不注意で使用期限が切れるというような事がないように、担当部署、担当者を決め、使用期限を管理しますが、他の部署でも当事者意識を持って、期限切れや使用範囲が間違っていないかチェックします。
引き続いての使用であっても、契約書に記載された期限・範囲を超えて使用することはコンプライアンス違反となります。


システムで管理する


個人情報、著作権、肖像権など重要なコンプライアンスについては、社内で意識を共有し、重要性についての認識を高めます。
個人情報保護に関しては、「PDCAサイクル」と呼ばれるシステムがあります。計画を立てる「Plan」、行動をする「Do」、計画どおり行われているかを調査する「Check」、調査の結果を踏まえて不備な点を改善する「Action」です。このようなシステムはひとつの部署、社員が単独で行うことは不可能で、社内全体での取組が必要です。

著作権とは

著作物は、創作した人の思想、感情が表現されたオリジナルのもののすべてを指します。
著作物の権利は、著作者人格権と財産権に関わる著作権に分かれます。著作権は譲渡したり相続したりすることができます。著作権は、実名またはペンネームの著作物で死後50年など、保護される期間が決まっています。
外国で創作されたものは、国際条約によって著作権が保護されています。日本よりも保護期間の短い国の著作物は、相手国の保護期間だけ保護されるなど、細かい取り決めがありますので、外国の著作物を使用する場合はより一層の注意が必要です。


肖像権とは


肖像権はプライバシー権とパブリシティ権があります。プライバシー権とは、自分の姿を無断で撮影されたり、その写真を勝手に公表されたりしないように主張する権利です。パブリシティ権は、おもに著名人、有名人が消費者、顧客を商品やサービスなどに引きつける誘引力があると認められた場合、写真の経済的価値が認められます。パブリシティ権は財産権に関わる権利です。


販促品製作の際の注意点


著作権は、著作物の上手下手には関係ありません。例えば、イラストでは、プロが描いたものも、素人の作品も、子どもが描いた作品も関係なく著作権が発生します。プロが描いたものでないから著作権が発生していないということはありません。誰が創作したものであっても著作権利用に関する契約を結ぶ必要があります。
肖像権についても同じです。モデルを利用して写真撮影を行う場合は、どのような場合でも写真利用に関する契約を結びましょう。

まとめ

個人情報保護、著作権、肖像権の使用に関する法律は改正が行われることもありますが、気づかなかった、知らなかったではすみません。コンプライアンス違反にならないように注意するのはもちろん、法令遵守には全社で取り組み、管理体制はチェック機能を備えた社内システムとして構築します。ひとつの部署、数名の社員に任せるのではなく、全社員が当事者であるという意識が大切です。

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