ノベルティグッズの起源と発展
■はじまりは江戸時代から
ノベルティは自社商品やサービスの販促の一環として配布されます。現代では街頭や店頭でお馴染みの光景として定着していますが、その起源は意外と古く、江戸時代までさかのぼります。
江戸時代中期、庶民の間で「引き札」が大流行しました。この引き札がノベルティグッズの起源とされています。引き札の語源は「お客を引く札」という意味であり、現代で言うところのチラシのようなものでした。商店や呉服店などが新装開店する時や売り出しを行う時、お客さんに無料で配っていたそうです。
現代ではチラシというとごくありふれたものですが、当時はとても珍しいものでした。当時の印刷技術といえば活版印刷です。印刷物というだけで庶民にとっては高い価値のあるもので、美術品やポスターのように喜んで家に飾っていました。ノベルティとはそもそも「珍しいもの」という意味なので、まさに貰ってうれしい貴重な品だったというわけです。絵と共に店名や商品名が入っているため、販促品としての効果も抜群だったと考えられます。
最初の頃は単色刷りのシンプルなものでしたが、だんだんと多色刷りで華やかなものになり、描かれる絵も浮世絵や美人画、七福神や松竹梅など賑やかで縁起がよく、美術的価値の高いものになっていきました。またすごろくやなぞなぞ、人気の歌舞伎役者の絵が描かれたものなど店によって工夫がみられ、人気の引き札を配布する店には遠方からもお客さんが押し寄せたそうです。老舗デパート三越の前身である「越後屋」も、実に60万枚近い引き札を配布したという記録が残っています。
店を有名にしたり商品の売り上げを伸ばしたりと、当時のチラシは販促品として重大な役割を担っていたといえるでしょう。
- 目次
■時代によって移り変わる、ノベルティグッズの種類
江戸時代の引き札を起源としたノベルティも、時代の流れと共に変化してきました。様々な技術が向上・発展し、印刷物以外のノベルティグッズも増えてきています。
たとえばボールペンやふせんなどの文具品、タオルや歯ブラシなどの日用品、卓上カレンダーやUSBメモリなどのビジネス関連用品、あぶらとり紙や化粧品などの美容関連用品などがその代表です。街頭や店頭で通行人に配布する以外にも、イベントやプロモーション用に作成するもの、企業向けや記念品として作成するものなど目的に応じて使い分けることができるようになりました。これらはピンポイントでターゲットを絞っている場合に役立つでしょう。
また夏にはうちわ、冬にはカイロなど、季節に合わせたノベルティグッズも人気があります。こちらは年齢性別を問わず、誰にでも喜んで頂けるアイテムです。季節用品は受け取ってもらえる確率が高く、また使用してもらうことで周囲の人への告知にもなるため、広告効果も大きいといえるでしょう。
その他、買い物した金額に応じて粗品や抽選券を渡すタイプや、雑誌の付録としてつけるタイプなど、ノベルティはどんどん工夫されてきています。期間限定のレアなグッズは、オークションにかけられることもあるようです。
このように現代のノベルティグッズは多種多様にわたります。実際に何を作ろうか迷ってしまう企業の担当者も多いでしょう。
■現代におけるノベルティグッズの定番とは
様々なノベルティグッズが登場していますが、やはり人気があるのは「ポケットティッシュ」です。販促品といえばポケットティッシュを思い浮かべる方も多く、まさに現代におけるノベルティの定番品です。
ポケットティッシュは、老若男女問わず多くの人がもらってくれるものです。鼻をかむ時、口や手を拭く時、メイクを直す時など、一日の中でティッシュが活躍する場面は数多くあります。そのためターゲットを限定せず、たくさんの人に渡すことができるでしょう。そしてポケットティッシュを使用すればその度にパッケージの広告を目にするため、宣伝効果は高いです。またすぐに使いきるものではなく持ち歩く人も多いため、長期間にわたってその効果は持続するでしょう。
そして低コストでたくさん生産できるという点もポケットティッシュの大きな魅力です。珍しいノベルティグッズは人目を引きますが、費用がかかるという点がネックとなるでしょう。たくさんお金をかけても少ししか生産できなければ、販促という意味では効果は低くなってしまいます。その点ポケットティッシュなら、費用を抑えながらも多くの人に配布することができます。また季節を問わず必要なものなので、一年中配布できる点もポイントです。春の花粉シーズンなどは特に受取率がアップします。
低価格で宣伝効果が高いポケットティッシュだからこそ、現代の販促品の定番として浸透しているのでしょう。「引き札」のように多くの人に喜ばれ、かつ企業にとってもメリットのあるノベルティグッズです。迷った時は、定番品のポケットティッシュにしてみてはいかがでしょうか。
