初めに基本を押さえよう!ポケットティッシュの入稿データの作り方
何とかならないものか、入稿データ
ポケットティッシュの発注をしようと思った際にこちらのデータ形式ではなく、当社規定のもので入稿をお願いいたします。一から作ったものが、ポケットティッシュの制作会社からそういった返答がきて作り直しになった。そんな経験をお持ちの方は少なくないと思います。特に、デザインの場合はデザインツールのバージョンや画像形式、フォントの指定など、専門的な知識がない場合には理解することも容易ではないこともあります。こういった場合に、普段使い慣れているWORDやExcelなどのOffice系ツールでパッとすぐできないかと思うことがあるのではないでしょうか。
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Office系ソフトでの入稿データは受け取れるが注意が必要
企業によってはOffice系ツール以外のツールを使用できないというケースもあり、そういった場合はもちろんのこと、業者側でOffice系ツールによる入稿データを受け取ることは可能です。しかしながら、入稿データをそのまま再現することは今の技術では不可能。再現できるかどうかは業者、その担当者のスキルによってばらばらというのが実情です。ポケットティッシュを制作する業者側では、WORDやExcelの原稿をイラストレーターやインデザインなどのデザインツールを使い、画像ファイルのデータに変換することで、その後の印刷の際にデザインが崩れないにするという工程があります。その際に、WORDやExcel上のデータを作業者が読み取り、手動によって再現するということが必要になるため、担当者のスキルによって出来栄えは変わってくるのです。
入稿データを作る際に必要なことは
ポケットティッシュを制作する業者側にとって一番ありがたいのは、そのまま印刷工程に進める状態の完全データとなります。つまり、そのまま印刷可能なデザインデータです。完全データでの入稿しか受け付けていないという業者もあります。また、完全データでない入稿データを送付した場合、その後のデータの加工・修正などが発生し、その作業に対する実費手数料を設定している業者もあります。過半数以上が後者の業者であり、作業単価は業者ごとにことなります。また、業者が指定する入稿データには必ずバージョンの指定が設けられているということを知っておく必要があります。バージョンが違うと、業者が指定する入稿データとは違うため、バージョンの変更という作業が発生してしまい、そちらのコストを請求されることもあります。業者によって入稿形式やバージョンは様々ですので、入稿データを送る前に必ず、こちらのデータ形式とバージョンを確認する必要があります。
画像データを入稿する際の注意点
RGB、CMYKという言葉をご存知でしょうか。デザインに携わったことがある方であればご存知でしょうが、デザインに触れたことがない方には何の略称であるかもわからないと思います。そういった方のために、説明をさせていただきます。RGB・CMYKは両方とも色の表現法の一種で、赤 (Red)、緑 (Green)、青 (Blue) の三つの原色を混ぜて幅広い色を再現する加法混合がRGBと呼ばれ、三原色の頭文字となっています。ブラウン管(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)、デジタルカメラなど、光によって構成されるシーンで使われる形式となります。一方のCMYKは、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)とキー・プレート(Key Plate)から頭文字1字を取ったものになります。プリンターなどの印刷機で黒色をより美しく表現できたり、また見た目の美しさ以外にも、黒を表現するために必要なインク量が少なくなり、ランニングコストが下がり、乾燥が速く高速印刷に向く、といった利点があるため、印刷物の際にしようされます。デジタルカメラなどで撮影された画像、あるいはパソコンのディスプレイ上に表現される色はライトの発光を利用して色を表現(加法混合)するRGB形式である一方、印刷物ではインク(色素)による光の吸収を利用して色を表現している(減法混合)ため、このように、画面と紙とでは発色の原理が全く異なり、RGB形式の画像を印刷する場合はRGB形式からCMYK形式への変換作業が必要となるのです。お気に入りの写真をプリンタで印刷したけど、いい色で印刷されない場合など、まさにその原理による劣化が起きている場合が考えられます。業者にRGBモードの画像を入稿する際は、色の劣化もありますが、変換にかかる作業料がかかることもありますので、注意しておきましょう。
入稿データのサイズにも意識
ポケットティッシュを制作する業者によっては、規定サイズのテンプレートという指定があり、その規定を超えたものは印刷に回せないという理由でNGになることもあります。A4横サイズの紙に縦長のものを印刷しようとすると、範囲外の部分がはみ出て印刷されるか、あるいは全体が縮小されて小さなサイズで出力されるのと同様で、規定のサイズを超えてしまっては、せっかくのいいデザインがキレイに仕上がらないので、サイズもしっかり把握した上で、入稿データを作ることも大切です。